ゴーン容疑者逮捕で放送業界も激震 CM出稿差し替えも

スポーツ報知
ゴーン容疑者の立場

 日産自動車の有価証券報告書に自身の役員報酬を計約50億円過少に記載した疑いがあるとして、東京地検特捜部は19日、金融商品取引法違反の疑いで、代表取締役会長のカルロス・ゴーン容疑者(64)と、共謀したとして代表取締役のグレゴリー・ケリー容疑者(62)の2人を逮捕した。

 カルロス・ゴーン容疑者の逮捕を受け、放送業界にも激震が走った。日産は民放各社のドラマやバラエティー番組などに多く自社CMの出稿を行ってきただけに、放送関係者は「今後の捜査状況次第では、CM出稿の差し替えが発生することも考えられる」と指摘する。

 通常、放送局への広告出稿は「タイム(番組自体に提供し、制作費の一部を負担する)」と「スポット(決まった時間を指定して広告料を支払い、CMを投下する)」の2パターンに大別され、日産はどちらにも出稿してきた。通常、有事の場合は放送局側の都合で広告を引き上げることはなく、スポンサー側からの申し出で公共広告などに差し替えられることになる。

 逮捕から一夜明けた20日には、日産が複数提供のうちの1社を務めるTBS系連続ドラマ「中学聖日記」(火曜・後10時)が放送を控える。日産はテレビ朝日系「相棒」(水曜・後9時)、フジテレビ系「サザエさん」(日曜・後6時半)、日本テレビ系「24時間テレビ」など長寿番組のスポンサーを担当。一社提供を務めるTOKYO FMの人気ラジオ番組「NISSAN あ、安部礼司~ BEYOND THE AVERAGE~」(日曜・後5時)などの制作にも影響を及ぼしそうだ。

 19日の欧州市場では、フランス自動車大手ルノーの株価が急落し、前週末の終値に比べ一時10%超安となるなど早くも影響が出た。

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