本庶佑京都大特別教授、和装でノーベル賞授賞式に 晩さん会は“庶民的メニュー”

スポーツ報知
ノーベル賞晩さん会メニュー

 2018年のノーベル賞授賞式が10日夕(日本時間11日未明)にスウェーデン・ストックホルムのコンサートホールで開かれた。日本からは医学生理学賞の本庶佑京都大特別教授(76)が和装で出席。カール16世グスタフ・スウェーデン国王から最高の栄誉を示すメダルと賞状を受け取った。授賞式後の晩さん会では、地元産の野菜が使われた“庶民的メニュー”が用意され、ノーベル財団の関係者など約1300人にふるまわれた。

 毎年、当日まで秘密にされていることで注目が集まる晩さん会のメニュー。昨年に続き、今年もシェフを務めたトム・ショーステッド氏は「メイン料理では野菜が鍵となる」とだけ明かしていたが、その“予告”通りにスウェーデンカブなど地元の食材をふんだんに使った料理がテーブルに並んだ。

 例年、「スカンジナビア(スウェーデン、ノルウェー、デンマーク)にちなんだ料理」の原則に基づいて出される食事は前菜、メイン、デザートの3皿。今年は前菜では北極マス、メインではスウェーデンカブ、デザートにはスウェーデン南部産のリンゴが登場した。他にも、根セロリや「リーキ」と呼ばれる西洋ネギなど、ヘルシーな食材を使用。晩さん会を生中継した地元テレビは、同国の普段の食卓に載るような庶民的な食材が多く使われたメニューだったと分析した。

 ショーステッド氏は地元の人気創作料理店「リラ エゴ」のシェフ。同店は季節野菜を使ったメニューが充実していることで知られる。レストランの格付けで知られる「ミシュランガイド」にも掲載されているが、ランクは「手軽に良質な食事ができる店」に贈られる「ビブグルマン」。予算も300~500スウェーデンクローナ(約3700~6200円)となっている。

 ちなみに、晩さん会の会場となった「青の広間」がある市庁舎の地下にあるレストラン「スタッドヒュース・シェラレン」では、1901年以降の全てのメニューを食べることが可能(要予約)で、間もなく今年のメニューも登場予定。2017年のメニューはワインなども込みで1865スウェーデンクローナ(約2万3000円)で、決して手が届かない価格ではない。

 晩さん会に先立つ授賞式では、本庶氏は「日本で研究してきた」との思いを込めて、えんび服ではなく自前の紋付き羽織はかま姿で出席。00年に文化功労者に選ばれた際にあつらえたという。和服での出席は、1968年の川端康成以来。妻の滋子さん(76)も着物で出席した。滞在先のホテルに戻ると「今日はちょっと疲れた」と話しながらも、肩の荷が下りた様子だった。

 ◆ノーベル賞受賞式アラカルト

 ▼会場 ストックホルム・コンサートホール。ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団の本拠地として1926年に完成。平和賞の授賞式はノルウェーの首都・オスロで開かれる。

 ▼授与者 スウェーデン国王。

 ▼賞金 900万スウェーデンクローナ(約1億1000万円)。本庶さんは共同受賞のジェームズ・アリソン米テキサス大教授と折半。日本では非課税。

 ▼メダル 表面に賞設立の遺言を残したアルフレッド・ノーベルの横顔が描かれた金メダル。

 ▼送迎 受賞者には関連イベントなどの期間中、ハイヤーを各1台支給。

 ▼同伴者 配偶者以外に14人を招待可能。

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