寝屋川市・中１男女殺害、山田浩二被告に死刑判決…裁判員裁判

　２０１５年８月に大阪府寝屋川市の中学１年の男女を殺害したとして殺人罪に問われた山田浩二被告（４８）の裁判員裁判の判決で、大阪地裁は１９日、求刑通り死刑を言い渡した。判決理由で浅香竜太裁判長は男女への殺意があったと認め、２人に対する殺人罪が成立すると認定した。争点だった平田奈津美さん（当時１３）殺害に関する責任能力の有無についても完全責任能力があったと認めた。自白や直接証拠がなく、検察側は状況証拠を積み上げ、立証した。

　　＊　　＊　　＊

　山田被告に死刑判決が言い渡された約２時間後、同事件を担当した裁判員５人、補充裁判員１人が大阪地裁内で会見した。

　遺族が「パフォーマンス」と切り捨てた山田被告の公判での謝罪や態度については、出席者の半数が「初日（初公判・１１月１日）の土下座は驚いたが、その後は落ち着いて話をしていたのでは」と、感想を述べた。

　初公判からわずか約１か月半での極刑宣告。証拠が不十分な上、公判中に裁判員１人、補充裁判員が２人辞任を申し出て解任された経緯もあったが、６０代女性は「証拠は少なかったが、できる限り意見を出し合い、深い議論ができた。正直、気分は重かったが、冷静に判断してベストを尽くした」と、納得の表情を見せた。

　一方、２０代女性は「過去になかなかない事件。（判例を）比較しようにもできなかった」と、量刑を決める難しさを語った。