高齢など理由に広がる“終活年賀状” 変わりゆく年始あいさつ
スポーツ報知

年賀状を出す人が年々減っている。2019年用の年賀はがき(お年玉付き郵便はがき)の当初発行枚数は前年比マイナス7・2%の24億枚あまり。03年の44億枚超をピークに11年連続減少となった。
その傾向を象徴するかのように、最近は高齢などを理由に「今年限りで年賀状を出すのをやめます」という“終活年賀状”が広がりを見せている。
インターネットで年賀状印刷サービスを展開しているTB(名古屋市)によると「年賀状で今までよく利用された例文の項目は『出産、赤ちゃんが生まれた場合』でしたが、今年は『来年から年賀状を辞退したい場合』が断然トップ」だという。そこには「高齢になり手足の衰えを感じるようになりました」「寄る年波に勝てず」などの言葉が並び、相手を気遣いながら丁寧に年始のあいさつを遠慮する文章が紹介されている。サイトの運営、開発を担当する同社の営業部員は「自分の周りでも高齢の人が年賀状をやめるという話を聞きます。勧める立場としては残念ですね」と寂しそうに話した。
年賀状はコンビニでも“地位”が下がっている。年末になると目立つ場所に置かれていたが、最近は探さないと見つからない店が増えている。「郵便局の営業終了後に買う場所としてコンビニが受け皿になっていましたが、ネットやスマホアプリで簡単に年賀状を作って買える時代。その手軽さには勝てないのかもしれませんね」とコンビニ研究家の田矢信二氏は説明した。