年賀状派?スマホ派?二刀流も 変わりゆく年始あいさつ、SNS主流へ 

スポーツ報知
年賀はがきは発行枚数こそ減っているもののさまざまなデザインとメッセージで楽しませてくれる

 古くから伝わる年始の習慣が変わりつつある。お正月の楽しみの一つだった年賀はがきを出す人が減る一方、スマートフォン(スマホ)で使えるソーシャルネットワークサービス(SNS)を新年のあいさつに活用する人が増えている。だが、方法は違えど新年を祝ってお世話になった人たちに1年の思いを伝えたいのは皆同じ。平成最後の年始にあなたはどんな方法で気持ちを伝えますか?(芝野 栄一)

 「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」

 昔から年賀状に記されるこの言葉の伝え方が多様化している。

 最近はSNSが主流。SNSの入門書を手がけるITジャーナリスト・高橋暁子氏は「個人情報の管理が厳しくなって同じ学校、会社の人でも互いの住所が分からない。その一方で初めてスマホを持つタイミングは中学生からが一般的になってきました。数年前に“あけおめライン”という言葉が話題になったように、若い人は主にLINE(無料通信アプリ)で新年のあいさつをしています」と説明した。

 この1年にスマホで撮った写真からお気に入りを選んでメッセージを添え、登録している“友だち”なら誰でも見ることができる「タイムライン」にアップするのが簡単で最も多いやり方。「全員に伝えたい場合はタイムライン、同じ趣味の仲間にはグループライン、より親しい人には直接1対1で。SNSの中でもLINEは“友だち”との関係性によってメッセージの伝え方が使い分けられるので便利。スマホを始めたばかりの中学生には一番人気があります」と高橋さんは強調した。

 自分でオリジナルの年賀はがきを作成してSNSに画像をアップし、そのうえスマホを持たない人には郵便で送る“二刀流”も多いようだ。作り方は一例として日本郵便など年賀はがきの印刷サービスを提供している会社の“年賀状作成アプリ”をダウンロードし、デザインや文面を選んで、自分が撮った写真を貼り付ければ完成。デザイン(テンプレート、無料もあり)、年賀はがき、印刷それぞれの代金をクレジットカードなどで決済すれば自宅に送られてくる。

 郵便で送るスタイルにこだわりたいが、「年賀状を作って印刷、投函(とうかん)するのが面倒」という人にはこんなサービスもある。名刺管理アプリなどを提供するWantedlyは日本郵便とコラボし、名刺交換をした相手に無料で年賀状が送れるサービスを実施した(先着5万枚)。まずアプリ「Wantedly People」をスマホにダウンロードし起動。最初にカメラで自分の名刺を撮ると会社名、名前、住所などが自動で登録される。次に送る相手の名刺を同じ方法で登録し、あとはデザインを選んで申し込むだけ。するとWantedlyが相手方にメールなどで宛先住所を確認し、了解を得た上で年賀状を作成、投函してくれる。同社広報は「今年から始めた取り組み。はがき代も弊社で負担します。すでに数万枚の申し込みがある」と明かした。

 また、eメール、ツイッター、フェイスブックいずれかのユーザーなら「住所も名前も分からない“友だち”」にもウェブサイトの「年賀状トレード」を介して年賀はがきを送ることができる。同サイトに登録された個人情報は事務局が管理するため「出した側の本名や住所が年賀状に印刷されたり、第三者に伝わることはない」という。

 高橋さんは「ビジネス関係では年賀はがきを交換する習慣が残っていますが、SNSには仕事始めの日に送信を設定できる機能もある。スマホを持ち始める年齢が下がっていることもあるし、年始にスマホでメッセージを送る傾向は、今後さらに加速するのでは」と予測した。

 ◆19年目玉“お年玉”東京五輪ペアで招待

 年賀状の配達受け付けは15日に始まった。新年に届くお年玉付き年賀はがきの楽しみは、なんといっても数々の賞品。発行枚数は減っているものの、賞品は年々充実したものになっている。19年の目玉は東京五輪にペアで招待する「東京2020大会応援賞」。交通費、宿泊費に充当できる一定額の旅行券が付いて、競技が観戦できる(日程、観戦競技、種目、座席などは未定、東京2020大会寄付金付きはがきなど限定)。

 1等は現金30万円か同額相当のプレミアム賞品。現金は昨年の3倍になった。3等お年玉切手シートは当せん割合が昨年の100本に2本から3本にアップした。

 抽せん日は1月20日。さらに「新元号に改まる特別な年」を記念したダブルチャンス賞としてシリアルナンバー入りの特別切手シートが当たる2度目の抽選が4月20日に行われる。

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