35年前に“初来日”したミッキーマウス…東京ディズニーリゾート誕生秘話<1>

スポーツ報知
1983年4月15日、TDLグランドオープニング(壇上左からドナルドダック、OLC高橋政知社長、ミッキーマウス、ディズニー社カードン・ウォーカー会長、ミニーマウス)(C)Disney

 東京ディズニーランド(TDL)は1983年4月15日に開園した。2001年9月4日に開園した東京ディズニーシー(TDS)も含めた東京ディズニーリゾート(TDR)で展開中の「東京ディズニーリゾート35周年“Happiest Celebration!”」は3月25日にグランドフィナーレを迎える。TDRを運営するオリエンタルランド(OLC)の加賀見俊夫会長(82)らの証言で原点を振り返り、“永遠に完成しない”TDRの未来を読む。

 TDRでは1日から6日まで、お正月の限定プログラムでにぎわい、11日から35周年グランドフィナーレの期間限定プログラムが開催される。TDLのエントランスからシンデレラ城へつながるアーケード通り「ワールドバザール」は、35周年記念のセレブレーションストリートになっており、プロジェクションマッピングなどでにぎわっている。

 昨年4月15日の35周年セレモニーは、このメインストリートで行われた。シンデレラ城前のプラザテラスで式典が予定されていたが、雨のため屋根の下に退避して行われた。OLC会長の加賀見俊夫は「ちょうど35年前のオープニングセレモニーも外でできなくて、ワールドバザールの中でやったことを思い出します」と懐かしんだ。1983年4月15日も雨だった。

 当時の報知新聞(4月16日付)では「雨中の開園どっとファン」という見出しで「米国以外では世界で初めて」「広さは後楽園球場の十五倍」「人気者のぬいぐるみがお出迎え」など時代を感じさせる表現で歴史の幕開けを伝えている。のちに名物となるパレードと花火は降雨と強風で中止になったが、1万8063人が歴史の証人になった。

 あれから35年の間に7億人(TDL、TDS累計)が訪れた。「これからもウォルト・ディズニーの『テーマパークは永遠に完成しない』という精神を受け継いで、常に皆さまの期待を超える体験を提供して参ります」。慶大の応援指導部出身の加賀見は、82歳になった今も、腹式呼吸で響くようによく通る声で話す。大柄ではなく上品。ミッキーマウスが人間の世界にいたらこんな感じなのだろう。

 35周年の開園記念日が雨になったのは残念だが、加賀見には感慨深いことでもあった。ワールドバザールには、あまり紹介されていないスポットがある。通り沿いのウィンドーグラフィックにディズニーキャラクターではない、ある人物の名前がデザインされている。=<2>につづく、敬称略=(酒井 隆之)

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