平成31年硬貨セット「最後」効果で高価に!増産を決定

スポーツ報知

 「平成31年」と刻印された、1~500円の6種類の硬貨が入った貨幣セットの人気が沸騰していることが18日、分かった。

 熱視線を浴びているのは、独立行政法人造幣局が販売している「プルーフ貨幣セット」(銘板付き7714円、税込み)。通常の硬貨と異なり、表面を鏡のように磨き上げた特殊な加工が施されており、模様がきらめき浮き出て見える。1987年から収集家向けに製造が始まったもので、デザインは流通している硬貨と同じ。市中で使用することもできる。毎年1月ごろにその年を刻んだ3万組程度を販売してきたが、他の記念硬貨に比べて地味な存在だった。

 だが、今年は「平成最後」ということもあり、事情が一変。1月10~30日に通信販売の申し込みを受け付けたところ問い合わせが相次ぎ、約21万組の注文が寄せられた。このため、造幣局は慌てて増産を決定。銘板なし(7560円)を含め約5万組の用意を目指す。造幣局の広報担当者によると「他の記念硬貨の製造スケジュールに影響するので、増やすのはここまでが限界」という。

 通信販売での商品発送はこれからだが、造幣局は局内のショップで一時、少数を販売。これが既にオークションサイトなどで「新品未開封」として出品された。また、フリーマーケットアプリ「メルカリ」にも複数出品され、1万2000~1万6000円で売れた。担当者は「関心の高さを肌で感じる。『記念に欲しい』というお客さんの純粋な要望に応えられず、心苦しい」と話した。

 造幣局ではプルーフ貨幣ではなく、市中に流通している硬貨を用いた「ミントセット」(2000円)も販売。13万5000組を用意したが、20万組を超える申し込みがあった。こちらは、通常の工程で製造できることから、申し込み分は増産でカバーするという。

 ◆前回改元時発売されず

 昭和から平成に変わった前回の改元時は、「昭和64年」が7日しかなかったこともあり、プルーフ貨幣セットは販売されなかった。また、市中で流通する通常の硬貨も50円、100円の2種類は製造されておらず、「昭和64年」の硬貨は4種類しか存在しない。ちなみに、造幣局によると今年は5月1日に改元を迎えた後に新元号のプルーフ貨幣セットを販売する予定。8月ごろから受け付けを始め、10月ごろの発送を目標としているそうで、1年に2度、発売されることになる。

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