“台湾の佐々木希”黒嘉嘉、9歳・仲邑菫さんを絶賛「世界チャンピオンになれる」

スポーツ報知
身長124・5センチの仲邑菫さんは台に乗って、身長172センチの黒嘉嘉七段と笑顔でVサイン(カメラ・矢口 亨)

 4月1日付で史上最年少の10歳0か月で囲碁のプロ棋士初段となる仲邑菫(なかむら・すみれ)さん(9)と台湾の黒嘉嘉(こく・かか)七段(24)との記念対局が20日、東京都千代田区の日本棋院で行われた。

 先番コミなしのハンデで挑んだ仲邑さんは228手までで中押しで敗れたものの、中盤まで熱戦を展開。一部で「台湾の佐々木希」とも称され美貌を誇る黒七段は「間違いなく世界チャンピオンになれる」と才能を絶賛した。

 敗戦後の感想戦。9歳の勝負師は唇をかみ、相手に鋭い視線を送った。戦い終えた感想を問われた仲邑さんは、悔しそうな表情を浮かべながら「うまく打てた。ヨセで失敗した。勝てるかもという気持ち? あった」と素直な思いを明かした。

 日本棋院発行の「週刊碁」が主催する非公式戦「新初段シリーズ」の特別対局。22日に開幕する「SENKOCUP ワールド碁女流最強戦」に出場するために来日していた黒七段との夢の対決が実現した。

 黒七段は台湾女流囲碁界最強の実力者。台湾ではトップモデルとしても活躍するほど華やかなルックスで人気だ。172センチの長身、スレンダーなスタイル、色白で、秋田美人を思わせる顔という三拍子をそろえ、一部では「台湾の佐々木希」と称されるだけに、日本の至宝との激突は注目度抜群。日本棋院内の対局室には報道陣約100人が大集結した。

 持ち時間各10分の早打ちで、最小のハンデ「先番コミなし」で挑んだ仲邑さん。中盤まで食らいついて互角に近い戦いを展開したが、終盤でミスを犯して敗れた。黒七段は「早碁は焦るものですけど、仲邑さんは落ち着いていました。私が9歳の時はアマ初段くらいでしたので、9歳でこれだけ強いのは将来が楽しみです。間違いなく世界チャンピオンになれると思います」と将来性に太鼓判。さらなる成長に向け「ぜひ死活(死んだ石と活きた石を見極める勉強法で『死活問題』という一般用語にも派生)をたくさんやってほしいです。死活は絶対なので」とアドバイスを送った。

 仲邑さんとは初対面だったが「写真ではよく見ていてカワイイと思っていましたけど、実際に会うともっとカワイイですね」とも。

 一方の仲邑さんは、先輩棋士の印象を問われると恥ずかしさからか言葉がなかなか出て来ず。今後の目標を「世界で戦える棋士になりたいです」と力強く宣言していた。

 ◆黒嘉嘉(こく・かか)

 ▽生まれ 1994年5月26日、オーストラリア・ブリスベン生まれ。独身の24歳

 ▽両親 父はオーストラリア人、母は台湾人

 ▽英名 ジョアン・ジャアジャア・ミッシンガム

 ▽囲碁歴 4歳の時に台湾に移住し始める

 ▽好きな漫画 6歳の時に読んだ日本の「ヒカルの碁」

 ▽プロ入り 14歳の2008年

 ▽国内棋戦実績 15年から女子最強戦3連覇など

 ▽国際棋戦実績 09年から台湾代表。18年のSENKOCUP準優勝など

 ▽囲碁以外の活動 モデル業、ミュージックビデオ出演など

 ▽インスタグラムのフォロアー数 3万5400人

 ▽甘党 インスタにはアイスクリームやケーキが多数

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