「枚方」って読める?市の自虐調査がまさかの高正答率 超ひらパー兄さんのおかげでおま

スポーツ報知
枚方市の位置

 大阪府枚方市は、読み方の難しい「枚方」が全国でどう読まれているかを調べた「マイカタ全国調査」の結果を分布図にまとめ、26日までに市のホームページで公表した。正しく「ひらかた」と読めた人は全体の60%にあたる822人。市の広報は「こんな多くの方に、きちんと読んでいただくとは思わなかった」と驚きの声を上げた。想定外の認知度の裏には、同市出身のアイドルと、地元ボーイズリーグ出身のプロ野球選手たちの存在があった。

 調査は大阪以外の都道府県を対象に、各地へ主張した市職員の聞き取りや、ホームページで協力する有志を募って実施。山梨県を除く45都道府県の1371人から回答を得た。唯一、回答者がいなかった山梨県には3月1日に枚方市職員を派遣し、調査を行う予定だ。

 6割の正解率となった結果に市の広報担当者は「私個人の意見ですが、正しく読んでいただける方は半分以下だと思っていた。予想以上の結果です」と喜びの声を上げた。

 枚方は関西圏ではメジャーだが、全国的に浸透しているとは言い難い。ならばどうして60%もの人が読み方を知っていたのだろうか。

 同広報は、同市出身の「V6」岡田准一(38)を“勝因”に挙げる。「北海道からわざわざ岡田さんのゆかりの地を巡るために市役所に来られた方もいたくらいですし、全国から問い合わせも多いんですよ」と感謝する。

 さらに「オール枚方ボーイズ」出身のドラフト1位コンビ・小園海斗内野手(18)=広島=、藤原恭大外野手(18)=ロッテ=の活躍も大きいようだ。鳥取市の回答者からは「枚方ボーイズという強いチームの存在を知って読めるようになった」との声も寄せられた。

 今回の調査では栃木、和歌山、岡山、徳島は全員が正解した一方、秋田、群馬は正解者ゼロ。誤読は代表的な「まいかた」以外に少数派の「まきほう」「まいぽう」「えだがた」など55種類に及んだ。

 「ここ数年、人口減が続いている。3年前から何かPRできないか模索していた」(同広報)中で発案されたのが、難読であることを逆手に取った今回のギャグ企画だった。野田充有広報課長は「自虐的なPRを面白がる人が多くてうれしい。それだけで枚方市にとってプラスになる」と満足げだった。

 ◆大阪・枚方市(ひらかたし)

 ▽誕生 1947年

 ▽市名の由来 不明とされているが、奈良時代の歴史書「日本書紀」に記された歌「ひらかたゆ笛吹き上る近江のや毛野の稚子い笛吹き上る」からとする説も。

 ▽人口 40万290人(2019年1月1日)で大阪市、堺市、東大阪市に次ぎ府内第4位

 ▽面積 65・12平方キロメートル(JR山手線内と同等)

 ▽歴史 平安時代は貴族の遊猟地として、江戸時代は京街道の宿場町として栄えた。戦後の住宅団地開発で人口が急増した。

 ▽学園都市 市内に6つの大学が密集

 ▽ゆるキャラ 「ひこぼしくん」。隣接する交野市との一帯は七夕伝説の発祥地とされ、同市の「おりひめちゃん」とコラボ

 ▽ふるさと納税の返礼品人気第1位 栗まんじゅう「勝ち栗」

 ▽主な出身者 故・森繁久彌さん(俳優)、岡田准一(V6)、賀来千香子(女優)、川崎麻世(タレント)

 ◆オール枚方ボーイズ

 枚方市を拠点とする硬式野球ボーイズリーグのチーム。1983年、現・県岐阜商監督の鍛治舎(かじしゃ)巧氏(67)が設立。2013年には九鬼隆平捕手(現ソフトバンク)、松尾大河内野手(現DeNA)らを擁し、主要全大会を制覇する「中学5冠」を達成。昨秋のドラフトではOBの藤原恭大外野手(大阪桐蔭)がロッテから、同じく小園海斗内野手(報徳学園)が広島から1位指名。他のOBに国吉佑樹投手(現DeNA)、山足達也内野手(現オリックス)、中谷翼氏(元広島)ら。

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