札幌新陽に「eスポーツ研究部」廃部寸前のパソコン部から5人でスタート「北海道で一番に」

北海道内の高校もeスポーツ人気が高まっている。札幌新陽では昨年11月、「eスポーツ研究部」が発足。廃部寸前だったパソコン部が母体となって、初年度は新1年生5人でスタートした。元バスケ部の合田朋生(とうき)部長(1年)は「まずは公式戦1勝が目標。北海道で一番強いチームになりたい」と意気込んだ。
元バスケ部員が結集した。昨秋にeスポーツを知ったという合田は「ゲームがスポーツになる。面白いと思った」。世界的に注目を浴びる新たなスポーツ種目にひかれ、バスケからの“転向”を決意。部発足を条件にパソコンレンタルができることを知り、バスケ部だった4人とクラスメート1人を勧誘してスタートした。
“初陣”となった昨年12月の「第1回全国高校eスポーツ選手権」は予選リーグ敗退。5対5で戦う陣取りゲーム「リーグオブレジェンド」で、部員同士の連係不足が露呈した。倉本恵輔(1年)は「仲間への配慮が足りなかった」と振り返る。敗戦以降はバスケで学んだ声掛けを心がけ、より緻密な連係を磨いてきた。
顧問の平中伸英教諭(37)は「eスポーツを研究する部なので。競技の認知度を広めるための活動をしていきたい」と話す。バスケからゲームへ転向した異色の5人が、北海道一に本気で挑戦する。(清藤 駿太)
◆eスポーツとは 「エレクトロニック・スポーツ」の略称。電子機器を用いて行う娯楽、競技、スポーツ全般を指す言葉であり、コンピューターゲーム、ビデオゲームなどを使ったスポーツ競技のこと。米調査会社Newzooによると、2017年のeスポーツの市場規模は約700億円、その視聴者数は約3億3500万人と言われる。人気の高まりを受けて、eスポーツ競技の大会数も増加。動画配信サービスの充実によって競技を気軽に楽しめるようになり、競技人口、市場ともに拡大している。