北海道情報大、全国初の「eスポーツ」大学リーグ構想 今夏にも誕生へ

スポーツ報知
体育祭の種目としてゲームで競い合う北海道情報大の学生たち(北海道情報大提供)

 コンピューターゲームの腕前を競う「eスポーツ(エレクトロニック・スポーツ)」の世界的な盛り上がりを受け、全国初となる大学リーグ戦構想が北海道内に浮上した。昨年11月に北海道情報大の情報メディア学部情報メディア学科の学生ら25人が中心となった「eスポーツサークル」が発足。北大、はこだて未来大の同サークルと連係を取り合い、早ければ今夏までに3校での対抗戦を予定する。将来的には参加校を増やし、六大学リーグのようなメジャー化を目指す。

 全国初となる北海道eスポーツ大学リーグ戦実現に向けて、北海道情報大が先陣を切った。昨年11月にeスポーツサークルを発足。すでに、北大、はこだて未来大の同サークルと連絡を取り合っており、北海道情報大の森川悟准教授(50)は「東京の六大学野球みたいに、大学同士で競い合いたい」と、青写真を描いている。

 ゲームを使った対戦をスポーツとして捉えたeスポーツ。世界的な人気は高いが、日本での認知度は低かった。昨夏のアジア大会(ジャカルタ)で公開競技として導入され、注目を浴び始めた。大学では2015年から日本eスポーツ学生選手権大会が開催されてきたが、地区予選は学生の自主運営。地区対抗のリーグ戦を行えるほど、参加校がなかったのが現状だった。

 リーグ戦は基本オンラインで、決勝でようやく顔を合わせる。対戦校同士が時間さえ合わせることができれば、どこにいても対戦することができる。河原大顧問(40)は「移動費も負担にならないので参加しやすいはず。最後の決勝でどちらかの大学に行くのもいいと思う」と話す。早ければ今夏の開催を目指し、タイトルなどの構想を練っていく。

 昨年6月、北海道情報大の体育祭でeスポーツ競技を実施。昨年まで野球やサッカーなどではあまり集まらなかった学生が、eスポーツには100人以上も集まり盛り上がった。「eスポーツに抵抗のない子が多い」と森川准教授。アンケートでは「eスポーツはスポーツだと思いますか?」の問いに60人中55人が「はい」と答えた学生たちの認識がサークル発足を後押しした。

 アジア大会や五輪の正式種目として検討されているだけに、森川准教授は「目標は情報大から五輪選手を出すこと」と意気込む。たかがゲーム、されどゲーム。競技普及のため、北海道情報大が先導する。(清藤 駿太)

 ◆eスポーツとは 「エレクトロニック・スポーツ」の略称。電子機器を用いて行う娯楽、競技、スポーツ全般を指す言葉であり、コンピューターゲーム、ビデオゲームなどを使ったスポーツ競技のこと。米調査会社Newzooによると、2017年のeスポーツの市場規模は約700億円、その視聴者数は約3億3500万人と言われる。人気の高まりを受けて、eスポーツ競技の大会数も増加。動画配信サービスの充実によって競技を気軽に楽しめるようになり、競技人口、市場ともに拡大している。

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