五輪で車いすの観客を誘導するロボット付きチケットの販売検討

スポーツ報知
重いモノを持ち上げるために使用する、パナソニックの着衣型ロボット

 2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会は15日、都内で「東京2020ロボットプロジェクト」を開き、実際に五輪本番会場で使用する2種類のロボットを披露した。

 1つ目はトヨタ自動車が開発した「車いすの観客を誘導し、飲食物を届けたりするロボット」。観客がタブレットで注文すると、運搬ロボットが売り場から飲食物を運び、誘導ロボットが客席付近で受け取って注文した人に手渡す。1会場当たり16セット程度の導入を予定。組織委関係者は「『ロボットが付いてくれる車いす席』というカテゴリーのチケット販売も検討中」と明言。もし実現すれば、史上初の五輪ロボ付きチケットの誕生となる。

 もう1種類は、パナソニックが昨年発売したパワーアシストスーツ。上半身に装着し、重い荷物を持ち上げるときに機械の助けを借りて体の負担を軽減する仕組みだ。運営スタッフの業務を対象に導入し、1会場20台を導入予定。競技会場のバックヤードで、飲料や廃棄物など重いものを運ぶ際に活用する。

 現在決まっているのは2種類だが、今後さらに増やす見込み。東京2020ロボットプロジェクトリーダーの比留川博久氏は「驚かれるというよりは、役に立つ実用的なロボットを発信したい」と意気込む。実用的なロボットを五輪で公式に使うのは、事実上初だという。最終的に何種類になるかなどは未定。すでに数十種のロボが候補に挙がっており、今秋までにはラインナップが決定される。

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