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今年はどうなる将棋界!?藤井四段、初の高校生タイトルホルダーなるか

2018年1月3日14時0分  スポーツ報知
  • 2018年も活躍が期待される藤井聡太四段

 将棋界にとって2017年は史上空前の1年だった。

 一連の不正疑惑騒動の影響で暗い幕開けとなったが、引退した加藤一二三九段(78)が「ひふみん」のニックネームを得て、お茶の間に大ブレイクして(引退前からブレイクしていたけれど、さらに)NHK紅白歌合戦の審査員にまでなり、羽生善治竜王(47)が永世七冠を達成したことによって国民栄誉賞の授与が決まり、次世代を担う20代の菅井竜也王位(25)と中村太地王座(29)が初タイトルを獲得した。

 さらに、普通の年であれば年間ナンバーワンの話題になっていても全然おかしくないニュースも続々。ポーランド人のカロリーナ・ステチェンスカ女流1級(26)が外国人として初めて女流棋士になったこと(もちろん男性棋士も例がない)、叡王戦が8つ目のタイトル戦に加わったこと、AbemaTVが将棋チャンネルを開設したこと…枚挙に暇がない。

 そして、なんと言っても史上最年少棋士の藤井聡太四段(15)が史上最多となる公式戦29連勝を記録したことだ。連勝の過程で藤井四段の対局は国民行事と化し、14歳(当時)は国民的英雄となった。

 2018年、藤井四段は何に挑むのか。年始ということでおさらいしておきたい。

 まず、今月から本戦トーナメントが始まる第11回朝日杯将棋オープン戦だ。既に藤井四段はベスト16に進出しており、4連勝すれば優勝ということになる。朝日杯は8大タイトル戦には含まれないが、もちろん公式棋戦。2月予定の決勝で優勝した時点で15歳6か月なので、1955年に加藤九段が六・五・四段戦(現在は廃止)で記録した15歳10か月を超える史上最年少での一般棋戦優勝を果たすことになる。

 さらに、2連勝したベスト4の時点でトーナメントの隣の山にいる羽生竜王もやはり2連勝していれば、初めて公式戦の舞台で両雄が激突することになる(非公式戦では1勝1敗)。注目を集めること間違いなしの一番になる。

 続いては、名人を目指す棋戦である順位戦のC級2組での戦いだ。

 現在7連勝中の藤井四段はC級2組に在籍する棋士50人のうちトップを走っている。ひとつ上の階級であるC級1組への昇級枠(3人)に入っており、残り3戦を全勝すれば文句なしで昇級が決まる。初参戦のC級2組を1期で突破するのは、同じ中学生棋士である谷川浩司九段(55・2期)、羽生竜王(2期)、渡辺明棋王(33・3期)も成し遂げていない偉業だけに、藤井四段が数十年に1人の逸材かどうかが明らかになると言っても過言ではない。昇級がかかることになりそうな最終局は、公式戦2敗目を喫した相手である強敵の三枚堂達也四段(24)だけに、要注目だ(ちなみに加藤九段は1度も足踏みせずにC級2組→C級1組→B級2組→B級1組→A級と駆け上がって「神武以来の天才」と言われました。ひふみんはスゴイ人なのです)。

 さらに8大タイトル戦でも王位戦、王座戦、竜王戦、王将戦、棋王戦の5棋戦で勝ち上がりの可能性を残しており、タイトル獲得となれば、1990年度の棋聖戦で屋敷伸之九段(45)が記録した18歳6か月を大幅に超える15~16歳での史上最年少タイトル。初の高校生タイトルホルダーということになる。

 今年も藤井四段の活躍から目が離せない。(記者コラム 将棋担当・北野 新太)

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