【プチ鹿島のプチ時評】「無謀な作戦」サマータイム

2018年8月20日12時0分  スポーツ報知
  • プチ鹿島

 終戦から73年。NHKスペシャル「ノモンハン 責任なき戦い」(15日)では「いったい、こういう馬鹿(ばか)なことをやる国は何なのだろう」という司馬遼太郎さんの言葉を紹介していた。

 無謀な作戦への突入、無責任な幹部。見ていてゾッとしたが「これは昔だけの話なのか?」とも思った。最近ならサマータイム導入をめぐる動きに私は同じ匂いを感じてしまうのだ。

 東京五輪の酷暑対策として五輪パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が安倍首相に導入を要請したサマータイム。

 でもこの時期の東京はアスリートにとって最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候ではなかったっけ? IOCに提出した立候補ファイルにはそう書いてある。

 ところが本番2年前になって暑さに焦ってる。うさんくさすぎる、ずさんすぎる。

 サマータイムの懸念として「日が長いので働きすぎてしまう(日本は過去に導入した際にその「実績」がある)」「睡眠不足による健康被害」「ITシステムの大規模改修などシステム不安」の3つが主にある。

 特に体への負担は不安だ。ロシアではサマータイム導入後に心筋梗塞を発症する人が増えたのでやめていた。2020年まで頑張ったお年寄りが、五輪がきっかけで体調を崩してしまったらどうするのだろう。

 これらの不安に対して自民党の船田元(はじめ)衆院議員は「律義で真面目な国民ならば十分乗り切れるはずだ」「むしろ個人の心構えにより、多くは解消されるはずだ」と自身の公式サイトで述べた。国民の精神に期待してあとは突き進むのみ。

 ああ、こうやって戦争がとまらなくなってしまったのだな。大げさではなくそう思った。

 省エネ効果を期待されてのサマータイムなのに、いつの間にか五輪対策になってるのはどう考えてもおかしい(そもそも省エネ効果も疑問符という)。

 国民が一斉に愚策に殉じてしまうのは70年以上前だけの話ではないのだ。

 とりあえず、サマータイムは森喜朗さんだけ導入したらどうでしょうか。データをとって我々にプレゼンしてみてください。その際、データの改ざんはダメですが。(お笑いタレント、コラムニスト)

社会コラム
  • 1
  • 2
注目トピック
今日のスポーツ報知(東京版)