【有森裕子コラム】様々な角度からラグビーW杯盛り上げて

2019年1月7日12時0分  スポーツ報知
  • W杯の公式球を手に笑顔のリーチ・マイケル

 2018年のスポーツ界は、さまざまな競技でパワハラ問題が発覚しました。ニュースなどでも報じられて話題となり、狭い組織の中ではこれまで「常識」とされていたものが、一般社会で考えれば「ありえない」という事実を、改めて考える機会になったと思います。

 問題が全てではないにしても、去年までに出て来たということには意味があったのではないかと思います。これがもし、今年以降ということになれば、来年開催される東京五輪・パラリンピックに大きな影響を与えていたことは想像に難くないからです。明らかになったのは、アスリートが自国開催の五輪が近づいているということで、「社会感覚にコミットする」という意識を持つきっかけとなる情報が増えてきたからだと思います。その意味では、いい傾向だと考えています。

 また、今年はラグビーW杯も開催されます。日本代表も力をつけているので、楽しみにしている人は多いのではないでしょうか。特に、長きにわたるラグビーファンの方々はなおさらでしょう。そして、ラグビーに全く縁がなかった多くの人たちも、大会の楽しみ方、参加の仕方はいろいろな形があると思います。

 ラグビーの競技そのものを知って参加するのもよし、単にこのような場のボランティアを楽しむのもよし。全体を挙げての行事やイベントは時に、一方的な感情の共有を求めがちになりますが、そうではなく、いろいろな方々がさまざまな角度からの参加、思いをもって盛り上げられる大会であってほしいと思います。ひいては、それが来年の五輪・パラリンピックにつながることになるでしょう。

 私自身は、国際オリンピック委員会(IOC)の「スポーツと活動的社会委員会」に、このタイミングで委員を務めているということを、これまで以上に意識していきたいと考えています。これまでもスポーツが社会に貢献できること、責任を持てることは何かということを念頭に活動してきましたが、さらに積極的に現場に入っていくことを今年の目標としたいと思います。(女子マラソン五輪メダリスト)

有森裕子
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