【北神奈川】3年生が4人の横浜サイエンスフロンティア、部員不足に奔走単独出場も勝利届かず

スポーツ報知
横浜サイエンスフロンティア・左から先発した1年の加藤佑典、杉崎勇介主将、千葉裕介監督

 ◆第100回全国高校野球選手権記念大会北神奈川大会▽1回戦 横浜翠嵐12-5横浜サイエンスフロンティア=8回コールド=(12日・サーティーフォー保土ケ谷)

 4人の3年生の思いは、勝利には届かなかった。横浜サイエンスフロンティアは初回、2番・杉崎勇介主将(3年)の右前安打などで2死二塁とし、4番・山中祐人一塁手(3年)が中前適時打。3年生コンビで先取点を挙げた。その後も4回までに7安打で5得点。中盤以降は失速し、先発した1年生の加藤佑典が18安打12失点を浴びて8回コールド負け。それでも、杉崎は「打力には自信がありました」と胸を張った。

 3年生は入学時から4人だけ。1学年下の後輩も1人しかいなかった。昨夏、1年上の先輩が引退すると、人数が足りずに試合ができなくなった。後輩もチームから去り、秋の大会は他部から助っ人を呼んで何とか9人そろえた。今年3月に行われた県大会の地区予選は向の岡工との連合チームで出場したが、3戦全敗に終わった。

 4月になって、1年生が8人も入部。ようやく単独での試合が可能になった。千葉裕介監督(37)が中学校の大会などに足を運んで、積極的に声をかけて回った成果だった。杉崎は「ほっとしたし、うれしかった」と昨日のことのように振り返った。

 4人の3年生は試練に耐えた。冬場の厳しい練習では「1年生が入ってくると信じて頑張ろう」と声を掛け合い、励まし合った。4人しかいないのでノックは1か所。捕ったら、ネットに向かって送球。ロングティーは1日に120球を7セット打ち込んだ。杉崎は「とにかく人数が少ないので、サイクルが速い。たくさん打てるんです」という。

 試合後、千葉監督は「再来週には北神奈川代表が決まるけれど、ウチの3年生が全国で一番心が強い」と言い切った。新チームでは、再び助っ人探しを始めるが、4人の3年生の魂は残った1年生8人がしっかりと受け継いでいく。

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