【報知映画賞】篠原涼子が主演女優賞、夫・市村正親と二人三脚で初戴冠

2018年11月28日6時0分  スポーツ報知
  • 初の主演女優賞を喜ぶ篠原涼子。夫の市村正親からは「握手して『良かったね』って祝福されました」(カメラ・小泉 洋樹)

 今年の映画賞レースの幕開けとなる「第43回報知映画賞」の各賞が27日、発表された。主演女優賞は「人魚の眠る家」(公開中、堤幸彦監督)、「SUNNY 強い気持ち・強い愛」(大根仁監督)に出演した篠原涼子(45)が受賞した。映画賞の個人賞受賞は初めて。来年の芸能生活30周年を控えての吉報に「すごくうれしい。ありがたいです」と感激した。表彰式は12月中旬に都内で行われる。

 初めて手にする主演女優賞の栄誉に、篠原は「慣れていないので純粋にうれしい気持ちと、いいのかなという気持ちです」。優しくほほ笑み、控えめに喜びを表現した。

 「人魚の眠る家」では、プールの事故で意識不明となったまま眠り続ける娘・瑞穂に深い愛情を注ぐ母・薫子を演じた。俳優の市村正親(69)と05年に結婚し、自身も長男(10)、次男(6)と2人の子を持つ母親。「子供が不幸に遭う内容だったので、我が子がいる以上、踏み出すのに時間がかかった」。恐怖と重圧で悩み抜いたが、出演を決意させたのは市村のひと言だった。

 「原作を読んだ主人が、台所で『薫子は涼子がやるべきだ』と。家族だけど、仕事では先輩。信頼できる人に『やるべきだ』と言われ、背中を押された。すごく大きかったですね」

 時に狂気とも言える行動で、娘を守り抜こうとする薫子。その姿に自問自答を続けた。「息子たちが大きな力になりました。言葉をかける時の思い、見つめる時の心情、触れ方。子供ができるまでは想像の世界だったけど、今は違う。自分の子供だと思って、瑞穂を見つめていた」。夢の中に娘が現れるクライマックスのシーンでは、自然と感情があふれ出た。「(死の間際に)我が子に言葉を投げかけられたら、きついだろうなって…。何テイクやっても、何テイクやっても涙が止まらなかった」。作品への思いが結実した瞬間でもあった。

 「SUNNY―」では、死期の迫る友人に再会し、高校時代の仲良しグループを再集結させようと奔走する主婦を演じた。「やったことのないタイプの役柄。大根監督のスタイル、大根色に染まる気持ちで挑みました」。1989年に10代で芸能界入りした自身は、アイドルから歌手、女優へ走り続けた。「与えられたことをがむしゃらに、必死で駆け抜けていた。プライベートの思い出は、20代ではあまりないかな」。歌と演技にささげた青春は、小室哲哉氏、蜷川幸雄氏といった第一人者たちの薫陶を受け、着実にキャリアを重ねた今、大輪の花となった。

 「格好いい女性」の代名詞として支持を集めてきたが、2本とも母親役での受賞。「子供たちも成長して、手がかからないようになってきた。今、母親役ができるのは、いいタイミング。ご縁に感謝しています」。演技者として新たなステージを開き「仕事も、家庭も、家族もどれも完璧にしたくなっちゃう。言っているだけですけど…。最近は『今』『一瞬一瞬』を大切にしたいと思うようになった。悔いのないように、その時々を楽しく生きていきたい」。女優として、妻、母として輝きは増すばかりだ。(加茂 伸太郎)

 ◆篠原 涼子(しのはら・りょうこ)1973年8月13日、群馬県生まれ。45歳。90年アイドルグループ「東京パフォーマンスドール」としてデビュー。94年のソロ曲「恋(いと)しさと せつなさと 心強さと」が大ヒットしNHK紅白歌合戦初出場。01年「ハムレット」で舞台初出演。04年日テレ系「光とともに…~自閉症児を抱えて~」で連ドラ初主演。代表作に「anego」「アンフェア」「ハケンの品格」など。身長162センチ。

 ◆「SUNNY 強い気持ち・強い愛」 コギャルブームに沸いた90年代と、現代が交錯する物語。専業主婦の奈美(篠原)は、高校時代の仲良し6人組「サニー」のリーダー・芹香(板谷由夏)に再会。末期がんの彼女に「サニー」の再集結を託され、次第に生活が慌ただしくなる。

  • 映画「SUNNY 強い気持ち・強い愛」

    映画「SUNNY 強い気持ち・強い愛」

 ◆「人魚の眠る家」 東野圭吾氏原作。離婚寸前の仮面夫婦・薫子(篠原)と和昌(西島秀俊)の元に、「娘がプールで溺れた」という知らせが届く。回復の見込みもなく、意識不明のまま眠り続ける娘・瑞穂(稲垣来泉=くるみ)。過酷な運命を背負うことになった夫婦は、奇跡を信じ、ある選択をする。

  • 映画「人魚の眠る家」

    映画「人魚の眠る家」

 ▼主演女優賞 安藤サクラ、黒木華、趣里、松岡茉優の熱演も高評価だったが、1回目の投票で篠原が過半数を獲得。「演技を超えた圧巻の演技。その吸引力にただぼう然」(見城)、「女優としての新境地を開拓し、すごいと感じた」(恩田)

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