【巨人】157キロ右腕・アダメス、支配下登録!中継ぎで即1軍も

スポーツ報知
支配下登録されることが決まったアダメス

 巨人の育成選手サムエル・アダメス投手(23)が支配下選手登録されることが15日、分かった。16日に会見が行われる予定で、早ければ支配下即1軍緊急昇格となる可能性もある。

 巨人の外国人枠を必要とする投手で育成から支配下に上がるのは07年のオビスポ、09年のロメロ、10年の黄志龍(ファン・ツーロン)、林イー豪(リン・イーハウ)以来となる。

 巨人の誇る若きドミニカン・エクスプレス。ファームで守護神を務めている。スリークオーターから繰り出す最速157キロの直球は打者の手元で微妙に動き、球種もカーブ、スライダー、チェンジアップ、フォークを操る。今季はイースタン・リーグ19試合で1勝1敗、トップとなる11セーブ、防御率2・18。計20回2/3を投げ、イニングとほぼ同数の20三振を奪うなど、空振りも奪えるパワーピッチャーだ。

 じっくりと温めてきた秘密兵器だ。16年4月に21歳ながら「将来のエース候補」として獲得。以降、着実に育成を続けてきた。当時から最速150キロを誇るなど素質は一級も、線の細さや制球面の不安など未完成な部分もあった。だが、地道なトレーニングで、下半身がひと回り以上大きくなった。体ができあがるに連れて球速も伸び、制球も安定。持ち味の球威で圧倒する投球に一層のすごみが加わった。

 1軍デビューも遠い話ではなさそうだ。育成から支配下に上げるのは、1軍の戦力として必要だと判断されたためで、現実的にも登録即昇格となる可能性は十分にある。実力でつかんだ支配下登録だが、この日、ゲレーロが下半身のコンディション不良で出場選手登録抹消となり、1軍の外国人枠に空きができたことも、追い風となったようだ。

 アダメスには当然、中継ぎとして沢村、マシソン、カミネロが形成する勝利の方程式の負担を減らす期待がかかる。昨秋には「1軍に行けば待遇面も良くなる。家族を助けるためにも絶対に必要」とハングリー精神を吐露していた右腕。試合をきっちり締め、ドミニカン・ドリームを結実させる。

 ◆アダメスという男

 来日3年目のアダメス。ファームでは人なつっこく、年齢に関係なく愛されている弟キャラ。ドミニカ共和国出身で母国語はスペイン語。英語はあまり話せる方ではないが、覚えた日本語を駆使し、選手と仲良く話している姿をよく見かける。ウグイス嬢の物まねで「ピッチャー・アダメス」と、本物ばりのアナウンスを披露して周囲を驚かせ、屈託のない笑顔を見せていた。

 今年の来日直後は同じ育成外国人・マルティネス、メルセデスと共に丸坊主で来日。右腕のそばを通る選手は頭を触り、アニメの「サザエさん」に出てくるキャラクター「タラちゃん」のような髪形だと言われた。一時は「タラちゃん」と呼ばれていたりもした。

 野球に対しても非常に貪欲。年々体重も増加し今年はG球場で157キロをマークし、球場をどよめかせた。1軍の試合も寮のテレビでしっかりチェックし、ファームの首脳陣含め球団スタッフからの評価も高く、毎年支配下秒読みという声も上がっていた。

 異国の地でついに夢の切符を手に入れたアダメス。1軍でどういう投球を見せてくれるのかとても楽しみだ。(巨人投手担当・玉寄穂波)

 ◆サムエル・アダメス(Samuel Adames)1994年9月27日、ドミニカ共和国生まれ。23歳。14年から米ロイヤルズ傘下のドミニカ・ルーキーリーグでプレー。16年4月中旬に巨人と育成契約。193センチ、86キロ。右投右打。独身。背番号「025」。年俸230万円。

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