【2010年】白鵬、大鵬&貴に並んだ!

大相撲の横綱・白鵬が報知新聞社制定「平成22年第53回報知年間最優秀力士賞」を4年連続4度目の受賞で花束を手に笑顔。 大相撲の横綱・白鵬が報知新聞社制定「平成22年第53回報知年間最優秀力士賞」を4年連続4度目の受賞で花束を手に笑顔。
 疑問の入る余地など全くなかった。大鵬、貴乃花に並ぶ4年連続の受賞。またひとつ、大横綱と肩を並べた。2011年はまず「昭和の大横綱」大鵬と並ぶ6連覇に照準を合わせている白鵬。それだけに「今の時点で大鵬関と肩を並べることができたという点もあるし、うれしい。そういう意味では初場所で優勝して、6連覇したい」。この栄誉で、目標達成への気持ちを更に強くした。
◆両国に「白鵬シート」力士大運動会も復活へ

 今年は大揺れの1年だった。初場所後にライバルの朝青龍が引退。突如、一人横綱の責任を背負うことになった。名古屋場所前には野球賭博問題が表面化し、NHKが中継中止を決定するなど、国技は危機にひんした。

 ピンチに陥った角界を支えたのは間違いなく白鵬だった。15日制が定着した1949年5月場所以降では初の4場所連続全勝V。双葉山の69連勝には届かなかったが、江戸時代の大横綱・谷風に並ぶ歴代2位タイの63連勝を達成。更に、昨年に並ぶ年間最多勝記録86勝も樹立した。土俵上で群を抜く強さを見せ、角界を引っ張った。

 そんな中、今度は土俵外でも国技をけん引する。自らが相撲普及に尽力していくつもりだ。まずは東京・両国国技館などに「白鵬シート」を設置する考えを明かした。すでに野球やサッカーでは一般化しているが、横綱は「いいことだからね。ぜひやってみたい」と、意欲満々に話した。

 更にはファンサービスの面でも、プランを練っている。1999年2月以来となる「力士大運動会」の開催だ。ソフトボール、綱引きなど、意外な一面が見られるもので、力士を身近に感じてもらえる貴重な機会。「来年はきっといい年になるはずだからね。力士会で話してみたい」と早ければ22日の力士会で提案する意向を示した。

 19日には少年相撲大会「白鵬杯」を大阪で開催。普及に一役買った。「世界中の皆さんに相撲を尊敬されるようなものにしたい。そのためには、子供世代につなげていかないといけないからね」と責任感たっぷりに話した。

来年も取って千代朝青並ぶ 来年も報知年間最優秀力士の栄誉を獲得すれば千代の富士、朝青龍に並ぶ5年連続の受賞となる。連続受賞では最多となるが「また取りたいね」と力を込めた。大いなる飛躍を遂げた2010年。来年は土俵内外で活躍し、更なる輝きを放つ。

 ◆白鵬翔(はくほう・しょう) 本名ムンフバト・ダヴァジャルガル。1985年3月11日、モンゴル・ウランバートル市生まれ。24歳。宮城野部屋。2000年10月来日。01年春場所で初土俵。04年夏、新入幕。06年春場所後に大関。07年夏場所後に第69代横綱に昇進。優勝12回。殊勲賞3回、敢闘賞1回、技能賞2回。金星1。得意は右四つ、投げ。家族は夫人と1女1男。192センチ、154キロ。

 ◆選考経過

戦後最多の63連勝。2年連続の86勝。5場所連続優勝。選考会ではあらゆる角度から見て、議論の余地がない満場一致での白鵬の4年連続受賞となった。

 各委員は群を抜く成績に加え、品格を選考理由に挙げた。有馬委員が「横綱らしくなった。振る舞いも素晴らしい」と評価すれば、岸委員は「連勝が止まった後も緊張の糸が切れることがなかったことは立派だった」と絶賛。室委員も「双葉山でも69連勝が止まってから3連敗した。白鵬はあそこから立ち直ったところが素晴らしかった」と、連勝が63でストップした後も崩れることがなかった土俵態度をたたえた。

 野球賭博問題など激震に見舞われた2010年。所用のため欠席した安西委員は書面で「激動の一年でしたが土俵上で一人横綱となった白鵬関の孤軍奮闘が印象に残る一年でした」と寄せた。

 最後に有馬委員が「来年こそ白鵬を脅かす日本人力士が出てきてほしい」と奮起を期待。安西委員も「好敵手が出現することを大いに期待したい」と新たな勢力の台頭を祈り、選考会は終了した。

 ◇選考委員 有馬朗人・日本科学技術振興財団会長(武蔵学園学園長)、安西邦夫・東京ガス相談役、岸洋人・報知新聞社代表取締役社長、室雄二・報知新聞社編集局長。

 ◇副賞 来年1月9日の表彰式では「スポーツ報知杯」と賞金50万円が贈られる。

◆白鵬の成績

場所 成績
東横綱 12勝3敗
東横綱◎ 15戦全勝
東横綱◎ 15戦全勝
名古屋 東横綱◎ 15戦全勝
東横綱◎ 15戦全勝
九州 東横綱◎ 14勝1敗

※◎は優勝。

◆年間成績

順位 力士名 所属 成績 勝率
1 白鵬 宮城野 86勝4敗 .956
2 把瑠都 尾上 64勝26敗 .711
3 琴欧洲 佐渡ケ嶽 56勝34敗 .622
4 栃煌山 春日野 53勝37敗 .589
5 魁皇 友綱 52勝38敗 .578

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