「カウンタータイプ」の八馬璃空選手と「攻めタイプ」の湯浅晴一朗選手
2025年11月05日16時00分 スポーツ報知
今夏に開催された「第1回東京国際フェンシング競技大会2025」でU-10男子エペ3位入賞した墨田フェンシングクラブ所属の小学5年生、八馬璃空(りく)選手(10)と湯浅晴一朗選手(11)が5日までに墨田区・山本亨区長を表敬訪問し、入賞報告と日本代表入りしてのメダリストの目標を語った。
この大会は今年が記念すべき第1回で、8月25日~27日に調布市の京王アリーナTOKYO(武蔵野の森総合スポーツプラザ)にて開催。アジアを中心に欧州や北米など10か国以上からアマチュア選手約500人が参加するなか、U-10男子エペで墨田区の小学5年生2人が3位入賞した。日本人選手のトップ10入りは2人だけで、お互いに切磋琢磨して練習を重ねてきた成果を大一番で出し切った。
山本区長(左)と談笑しながらメダルを見せる八馬選手(中央)と湯浅選手
「素晴らしい、ほんと。嬉しかった?それとも(3位で)悔しかった?」との山本区長の質問に、2人とも「悔しかった」(八馬選手)「リベンジしたい」(湯浅選手)と即答。昨年までは試合で負け続きだったというが、墨田フェンシングクラブの前田大貴代表(36)によると「2人とも全然へこたれずに練習を続けて、その努力とこれまでの経験、身につけてきたものが全部花開いた感じ」といい、成長の階段を一気に駆け上がった。八馬選手は8月30日、31日に佐賀県で開催された「第11回全国小学生フェンシング選手権大会」(全国大会)でも小学5・6年男子エペで6年生との対戦も制して3位入賞した。
最後は3人で記念撮影。山本区長も「来年は1位、2位を2人で争ってまた来てください」とエール
フェンシングは2021年に開催された東京五輪で男子エペ団体が日本初の金メダルを獲得したことで競技人気に火がつき、24年のパリ五輪では個人で男子エペの加納虹輝選手(JAL)が同種目初の金メダルを獲得。団体でも男子フルーレが金、男子エペが銀、女子フルーレと女子サーブルが銅と、出場種目すべてメダルを獲得し、計5個と大躍進。競技人口が増えている。それだけに、米大リーグで野球が盛り上がるなかでも「野球よりフェンシングが面白い」と2人とも声をそろえ、目標も「日本代表で、まずは全日本一」と同じに掲げた。
目標のさらに先にあるのは墨田区から初めてとなる五輪金メダリストの誕生になる。夢を実現させるために、それぞれの課題について八馬選手が「あきらめないメンタル。技術もどんどん上げないといけない」と話せば、湯浅選手は「身長を伸ばして、戦術とかを体にインプットしていきたい」ときっぱり。山本区長は「すごいね。分かっている。来年は1位、2位を2人で争って、勉強も頑張って、また来てください。秘書に予約させておきます」とエールを送り、墨田区から世界に羽ばたいていく2人に期待感を示した。