―すみ珈連(こーれん)とは。
峯岸「区の『すみだモダン』(※)に『すみだ珈琲』『Café Sucré(カフェシュクレ)』『マキネスティコーヒー』『しげの珈琲工房』が2015、16年にたまたま同時受賞して、コーヒーでお返しを、グループで何かできないだろうかと立ち上がったんです」
―その頃に錦糸公園で「すみだコーヒーフェス」が始まった。
廣田「16年3月から。ちょうど桜まつりに合わせた形でしたね」
川瀬「私は最初、お客さんで、当時はすみ珈連さんの自主運営だったんです」
峯岸「産業振興課に手伝っていただいたんですが、単独でやることになり川瀬さんに入っていただいた」
―まとめるのは難しかった?
峯岸「同業同士でケンカにならないのかと(苦笑)。仲間だけどちょっとずつ違うし。ただ、商売やコーヒーへの熱い思いで共感するところはありますし、やっていることはすみだの産業の底上げですから」
―なぜ、コーヒーで。
川瀬「コーヒーは老若男女、幅広い世代に受け入れられて、だれでもカフェを利用する。産業や観光振興、ブランディングになる」
廣田「おいしいコーヒーに出会って衝撃的で、こんなにおいしいのかっていう驚きと、それを紹介できる人になりたいと思ったんです」
峯岸「喫茶店は人が毎日出入りして触れ合う感じがすごくいいなと。淹(い)れ方を勉強したら素材、次は焙煎(ばいせん)と、転職してそういう仕事を始めた時は手遅れで、のめり込んでいました(笑)」
―コーヒーの魅力は。
廣田「人と人とをつなぐ媒体。お店を開いて人生観も変わった。毎日焙煎していても分からないことを発見することだらけ。すごく面白い」
峯岸「世界で一番有名な飲み物で知らない人はいない。コーヒー屋は一杯のコーヒーしか出せないけど、癒やしやアイデアが生まれたり、何かにつながれば」
川瀬「コーヒーを通して人との出会いが増幅する。水滴を一滴垂らしてバーッと広がるような。好きじゃなくてもカフェは好きとか、人の琴線に触れる要素もたくさんある」
廣田「本当に人との出会いですね」
峯岸「それに、とても自由な飲み物。朝起きて目を覚まそうと飲むし、午後のリラックス、夜の眠い時にも。懐の深さも魅力。ステキな飲み物。ノーコーヒー、ノーライフです」
―秋開催は11月。今後は。
峯岸「墨田区内のお店はウェルカムで、もう少し増やしてもいいかも」
廣田「開業して間もない人や開業したい人にも参加いただき、古くからやっている方も一緒になって盛り上げていけたら面白いかなと」
川瀬「カフェとかコーヒーを目指してすみだのまちに来る人が増えればうれしいですよね」
峯岸「すみ珈連は責任者として取りまとめますので、一緒にやりたい若い人たちにご協力いただきながら、やってみたら楽しかった~という形で続けたいですね」
※すみだモダン 区では東京スカイツリーの誘致を機に「ものづくりのまち」としての産業ブランド力を国内外にPRする目的で「すみだ地域ブランド戦略」を2009年から開始。区内の付加価値の高い商品や飲食店メニューをブランド認証し、21年9月からは「
すみだモダン」の名称で商品のバックグラウンドにある事業者の活動も含め新しい産業プロモーションを推進している。