戦後80年で平和への祈り、音楽での使命、希望を新たに
2025年8月12日15時00分 スポーツ報知
世界的指揮者の佐渡裕さん(64)が12日、音楽監督を務める新日本フィルハーモニー交響楽団とともに東京・墨田区の東京都慰霊堂で「平和の祈りを世界へ」と題した特別演奏会を行った。関東大震災と東京大空襲の犠牲者16万3000柱が供養されている祭壇を前に「フォーレ/レクイエム作品48」を演奏し、鎮魂の祈りを捧げた。
「戦争が起こらず、もう犠牲者が出ないでほしい。災害で1人でも助かる人が出てほしい」。演奏前に話す佐渡裕さん
東京都慰霊堂で特別演奏会が行われるのは極めて異例で、今年は戦後80年であることから佐渡さんの強い希望もあって実現した。音楽監督を務める新日本フィルの本拠である「すみだトリフォニーホール」も毎年、音楽を通じて平和の祈りを発信。歴史的節目の今年は「After80~すみだ発 平和の橋を音楽で繋ぐプロジェクト」として取り組むなか、「すみだ平和祈念音楽祭2025」の最終公演として開催にこぎつけた。午前と午後の各回とも抽選で約200人を無料招待。佐渡さんが指揮を執る楽曲に、参加者全員が1つになって、追悼と平和への思いを乗せる形となった。
