SUMIDAが世界をつくる!~墨田革漉工業・佐藤元治会長に聞く

2025年9月29日8時00分 スポーツ報知

自慢の豚革はプロ野球「Gグラブ賞」にも~墨田革漉工業・佐藤元治会長 自慢の豚革はプロ野球「Gグラブ賞」にも~墨田革漉工業・佐藤元治会長

 墨田革漉工業佐藤会長に聞く 靴やバッグ、洋服から小物までさまざまな用途に使われ、愛用される豚革。表面には3個ずつ集まった毛穴があり、それが見た目の特徴となり、毛穴が裏まで貫通しているため吸放湿性、通気性、軽くて耐摩耗性にも優れ、靴の内側やバッグの裏地に多用される。豚革が、皮から革へ、なめす作業や漉(す)く作業、染色工程などを経て、製品に加工されるまでの“ものづくり”は墨田区が日本一。墨田革漉(かわすき)工業の佐藤元治代表取締役会長に聞いた。

 ―関東近郊で明治時代以降、養豚業が盛んになって豚の原皮が立地的に集まった。
 
 「豚の原皮って脂が多くて、なめす作業までにもかなりの工程があって大変で、難しい。水はかなり使うことになりますよね」

 ―隅田川と荒川に挟まれ、旧中川もある東墨田に豚革のものづくりは集中している。
 
 「昔は豚の脂で石けん作っていたし、だから花王とかの工場や事業場もあった。なめして加工した豚革は、隅田川を渡り、浅草橋や浅草に革や靴の卸問屋が多いのはそんな理由からになります」
 
 ―ここでは豚革を加工し、持ち込まれた豚革の計量も行う。
 
 「1枚の皮でも厚みが場所によって違うから用途に合わせ整えて漉く。ウチは創業77年、前身からだと100年。私で4代目。今ではパンチング、高圧プレスを使ってエンボス加工、転写プリント、しわや折り目をつけるプリーツ加工なども。プロ野球『ゴールデン・グラブ賞』の金色グラブ、あれは色付けじゃなくて、ウチで箔押し加工したものです」
 
 ―なんと! “メイド・イン・すみだ”の豚革は欧州や海外ブランドでも使用されている。
 
 「品質の高さが評価されている。豚革は東京都の特産品で9割がすみだになるけれど、業界の縮小や後継者不足などもあって、日本の豚の原皮はどんどん東南アジアに輸出されている。それは大きな課題ですよね」

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