2026年7月10日11時00分 スポーツ報知
来春真打に昇進する落語家・林家あんこによる「すみだ夜咄(よばなし)2026~応為とお酒と落語~」が7月2日から3日間、東京・墨田区の片岡屏風店で行われた。千秋楽の4日にはデザイン界のノーベル賞「コンパッソ・ドーロ賞」を昨年受賞した地元出身のクリエイティブディレクターでデザイナー・髙橋正実氏がゲストで登場。満員札止めのなか、熱いトークも繰り広げられた。
江戸時代の情緒漂う空間での口演だ。林家あんこ自身も生まれ育った墨田区は「葛飾北斎の生誕の地であり、その魂が眠るすみだの地で、北斎の娘であり天才女絵師でもあったお栄(葛飾応為)の落語を申し上げられますこと、緊張と喜びでいっぱいです」と配布したプログラムにウエルカムメッセージを記し、当日も「行灯(あんどん)に照らされた屏風、ほのかな明かり、まさに江戸時代の光と闇を再現、素晴らしい空間を作っていただいた」とあんこ。
創業80年の東京唯一の屏風専門店「片岡屏風店」で江戸時代の光と闇を再現
林家一門期待の二ツ目として創作落語の題材にしてきた応為の作品は、江戸時代のレンブラントとも評され、光と影の描写が特徴的であることから「彼女が追い求めた光と影を会場にも表現」し、その場所が創業80年の東京唯一の屏風専門店とあって、没入感たっぷりの雰囲気を見事に作り上げた。
幕間に三味線奏者の石川さきさんの生演奏も流れ、千秋楽には『北斎小僧』『北斎とろくろ首』、初日は『北斎の娘』の「小布施編」、2日目は「吉原編」を披露。トークゲストに初日は会場となった片岡屏風店の3代目・片岡孝斗氏、2日目は石川さきさん、そして千秋楽には髙橋正実氏が登場。デザイン界のノーベル賞「コンパッソ・ドーロ賞」の受賞秘話や手掛けてきたロゴの数々、成田国際空港第一旅客ターミナル内にある「ナリタ北斎プラザ」などを紹介しながら、お互いの創作に関するクロストークを展開。最後は参加者と一緒になって三本締めで大団円となった。
創作に関するクロストークを展開した林家あんこ(右)と髙橋正実氏(左)。最後は参加者と一緒になって三本締めで締めくくった
日本テレビ「笑点」アシスタントも務める林家あんこは二代・林家時蔵を父に持ち、2世の女性落語家では初めての真打昇進となる。多忙のなか、8月30日には葛飾北斎が晩年に過ごして大作「八方睨み鳳凰図」を描き残した長野県小布施町の岩松院で創作落語『北斎の娘』を初口演。前日29日にも長野市芸術館アクトスペースで『北斎の娘』三話を披露する独演会を行うなど精力的に活動、注目の高座を予定している。
千秋楽の前座を務めたのは春風亭一呂久。初日と2日目は柳亭市助が務めた
