【2017年】ボクシング 村田諒太

来春の防衛戦に向け、始動した村田 来春の防衛戦に向け、始動した村田
 報知新聞社制定「2017報知プロスポーツ大賞」の受賞者が12月5日に決定し、プロボクシングWBAミドル級王者の村田諒太(31)=帝拳=が初めて大賞を受賞した。

 報知プロスポーツ大賞初受賞の吉報を聞いた村田は表情を緩ませた。昨年は前WBC世界バンタム級王者・山中慎介(35)=帝拳=がボクシング部門では最多を更新する5年連続の受賞。同門の後輩にあたる村田は、「山中先輩が何年も連続で受賞した名誉ある賞。いつか自分もチャンピオンになってこの賞をいただきたいと思っていたので、うれしい」と笑顔を見せた。

 2017年のボクシング界の顔は、間違いなく村田だった。5月にアッサン・エンダム(フランス)とのWBA世界ミドル級王座決定戦に臨んだ。村田は4回に強烈なダウンを奪うなど、試合を優位に進めているように見えた。だが読み上げられた結果は1―2の判定負け。不可解なジャッジは国内外で物議を醸した。

 そんな中でも村田は一切、言い訳をせず、真摯(しんし)な態度を貫いた。それから5か月後に迎えた因縁のダイレクトリマッチ(直接の再戦)では、エンダムを圧倒し、7回終了TKO勝ち。1995年12月の竹原慎二以来、2人目の日本人ミドル級世界王者。日本人の五輪メダリスト初の世界王者という快挙を達成した。勝利の瞬間に流した涙は、ボクシング・ファンの枠を超えて感動を呼んだ。まさに文句なしの受賞だ。

 村田は先月末から来年4月頃に予定する初防衛戦へ向け本格始動。表彰式では「いろいろなアスリートの方々にお会いできるのが楽しみ」と、心待ちにしている。各界のトップアスリートから刺激を受け、夢見るビッグマッチの道へ歩みを進める。

 ◆村田諒太(むらた・りょうた) 1986年1月12日、奈良市生まれ。31歳。中学1年でボクシングを始め、南京都(現・京都広学館)高で高校5冠。東洋大、同大学職員で全日本選手権優勝5回。2011年世界選手権銀メダル。12年ロンドン五輪ミドル級でボクシング日本勢48年ぶりの金メダル。13年8月にプロデビューし、17年10月にWBA世界ミドル級王座奪取。身長183センチの右ボクサーファイター。戦績は13勝(10KO)1敗。家族は妻と1男1女。

◆2017年プロスポーツ大賞受賞者

部門 受賞者 所属 年齢 受賞回数
野球(セ・リーグ) 菅野智之 巨人 28 2
野球(パ・リーグ) デニス・サファテ ソフトバンク 36
男子ゴルフ 松山英樹 LEXUS 25 2
女子ゴルフ 鈴木愛 セールスフォース 23
ボクシング 村田諒太 帝拳 31
特別功労賞 内山高志 - 38 -
特別賞 桐生祥秀 東洋大 21
フレッシュ賞 村上茉愛 日体大 21 -

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