【2005年】大相撲 朝青龍明徳

朝青龍(左)と力比べをした金本は横綱の力強さにビックリ 朝青龍(左)と力比べをした金本は横綱の力強さにビックリ
 残念無念。表彰式に駆けつけた横綱・朝青龍は、壇上に上がる直前に引き揚げざるを得なくなった。前人未到の7連覇を達成した時の人は、クリスマス番組や年末特番などで引っ張りだこ。この日は午後1時半に終わった力士会の後、午後4時からのテレビ収録までの時間を使って駆けつけるという、アクロバティックなスケジュールだった。

 だが、不運が重なった。墨田区本所の高砂部屋から新橋第一ホテルへ向かう道路は大渋滞。ひいきの飲み屋が何軒もある銀座周辺なら「目をつぶってても分かる」という横綱は「運転手さん、こっちの道の方が早いんだって!」と、焦る車内でナビゲーターまで買って出た。やや遅れて到着すると、式次第の進行も、約20分の遅れ。控室で金本、長谷川ら他の受賞者と談笑しながら出番待ちしているところで、マネジャーから声がかかった。「横綱、残念ですが、お時間が…」「え!? もうそんな時間か!」最強横綱は後ろ髪をひかれるように会場を後にした。

 売れっ子ならではの“悲劇”。表彰式では師匠の高砂親方(元大関・朝潮)が代理受賞し、事なきを得たが、北の湖理事長(元横綱・北の湖)をはじめとする日本相撲協会執行部や各界の著名人にあいさつできずに引き揚げたことに恐縮しきり。「残念だけど次の約束もあるので。偉い人がたくさん来てるのに『また勝手に帰った』なんて思われないように、報知には感謝してますってちゃんと書いといてよ」と走りながら苦笑い。今年、相撲史を塗り替えた朝青龍は、年の瀬になっても、まだ走り続けている。

 ◆朝青龍明徳(あさしょうりゅう・あきのり) 本名・ドルゴルスレン・ダグワドルジ。1980年9月27日、モンゴル・ウランバートル市生まれ。25歳。高砂部屋。97年に来日し、高知・明徳義塾高に相撲留学。99年初場所、初土俵。2001年初場所、新入幕。02年名古屋場所後に大関昇進。03年初場所後に初土俵から所要25場所の最速記録で横綱昇進。優勝15回(歴代単独5位)。殊勲賞3回。技能賞3回。得意はもろ差し、寄り。家族はタミル夫人(25)と1男1女。184センチ、144キロ。

◆2005年プロスポーツ大賞受賞者

部門 受賞者 所属 年齢 受賞回数
野球(セ・リーグ) 金本知憲 阪神 37
野球(パ・リーグ) 渡辺俊介 ロッテ 29
男子ゴルフ 片山 晋呉 ファイテン 32 5年ぶり2度目
女子ゴルフ 不動裕理 サントリー 29 2年ぶり3度目
大相撲 朝青龍明徳 高砂 25 2年連続3度目
ボクシング 長谷川穂積 千里馬神戸 26 2年連続2度目
特別賞 武豊 JRA騎手 36

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