【2012年】野球(パ・リーグ) 吉川光夫

壇上で花束を受け取る吉川 壇上で花束を受け取る吉川
 報知新聞社制定「2012報知プロスポーツ大賞」の受賞者が21日、決定し、プロ野球ではパ・リーグのMVPに輝いた日本ハムの吉川光夫投手(24)が選ばれた。

 素直にはにかんだ。吉川は「僕が選ばれていいのかな、というのが、本当の気持ち。不思議な感じです」と胸の内を漏らした。

 戸惑うのも当然だ。高卒新人だった2007年に4勝を挙げたが、昨季まで3年連続白星なし。「去年は午前中にファームの表彰で選ばれ、来年は1軍のコンベンションに出たいと思っていた」。飛躍を期した6年目。チーム最多14勝で、最優秀防御率(1・71)のタイトルに輝いた。新入団を除き、前年0勝からのMVPは両リーグ初。24歳シーズンでの受賞は、セパを通じて03年の阪神・井川慶(現オリックス)に並ぶ、左腕最年少となった。

 背中を押してくれた栗山監督に感謝を伝えた。「今年ダメなら、俺がユニホームを脱がす」という厳しいムチの中に、「四球を出しても代えないから、腕を振ってこい」という信頼感がにじんだ。「あの言葉がないと、四球で自滅していたと思う。シーズン通して真っすぐで押せた」と頭を下げた。精神的に弱かった自分と決別。最速152キロの直球で打者を牛耳った。

 報知プロスポーツ大賞とのダブル受賞には、「僕にはもったいない」と謙遜した。それでも、球団では06年ダルビッシュ(現レンジャーズ)以来の栄えある大賞。普段は控えめな発言が多い男だが、「ダルビッシュさんの穴は埋められないと思うけど、少しでも近づきたい」と言い切った。

 今季終盤から痛めた左肘内側側副じん帯の炎症で、当面はノースローだが、来季の目標は明確にある。「今年1年で終わらないように、2、3年と続くようにしたい」と200投球回を掲げた。左腕には、ダル不在の侍ジャパンへの期待も大きい。「(代表への)思いはありますけど、肘の状態があるので、何とも言えない。変な違和感は残っているけど、年内には投げたい」と見通しを語った。栄冠を励みに、来年3月のWBCに望みをつなぐ。

 ◆吉川光夫(よしかわ・みつお) 1988年4月6日、福岡市生まれ。24歳。広島・広陵高で2年春からエースも甲子園出場なし。2006年高校生ドラフト1巡目で日本ハム入団。今季は4月8日のロッテ戦(QVC)で4年ぶりの白星を挙げると、14勝5敗、防御率1.71。オールスターにも初出場。177センチ、75キロ。左投左打。家族は妻と2男。

◆2012年プロスポーツ大賞受賞者

部門 受賞者 所属 年齢 受賞回数
野球(セ・リーグ) 阿部慎之助 巨人 33
野球(パ・リーグ) 吉川光夫 日本ハム 24
男子ゴルフ 藤田寛之 葛城GC 43
女子ゴルフ 有村智恵 日本ヒューレット・パッカード 25
大相撲 日馬富士公平 伊勢ケ浜 28
ボクシング 山中慎介 帝拳 30
フレッシュ賞 森田理香子 リコー 22

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