【1998年】ボクシング　辰吉　丈一郎

　辰吉にとって、２年連続３度目の受賞。「ありがたいことやけど、今は正直それどころやない。２９日の試合しか頭にない。集中してるんや。それ以外、考えられん」目の色が違う。

　予定では７０ラウンド以上の実戦練習を消化するはずだったが、スパーリングパートナー、デュランの帰国で「１０ラウンドほど少なくなった」（菅谷浩之トレーナー）。１９日にスパーリングを打ち上げ、２４日には大阪帝拳ジムで公開スパーが予定されている。試合の１週間前には挑戦者のウイラポンも来日する。いやが上にも気分が高まってくる時期だ。ここ２、３日は疲れ気味。「疲れはピークに近づいている」今年、２度とも判定防衛だったジョーが、ＫＯで締めくくるつもりだ。

　◆辰吉　丈一郎（たつよし・じょういちろう）　１９７０年５月１５日、岡山県倉敷市生まれ。２８歳。９１年９月、グレグ・リチャードソン（米国）から、ＷＢＣ世界バンタム級王座を日本最短の８戦目で奪取。翌年９月、初防衛戦に失敗。９３年７月、王座を奪回。だが、直後に網膜剥離（はくり）が発覚。９７年１１月、３度目の王座返り咲き。現在、２度防衛中。家族は、るみ夫人と２男。通算１７勝（１２ＫＯ）４敗１分け。