【2006年】特別賞 WBC日本代表

WBCで日本を優勝に導き、特別賞を受賞した王監督。乾杯で力強くグラスをかかげた(左は昭和シェル石油・村山康夫代表取締役社長) WBCで日本を優勝に導き、特別賞を受賞した王監督。乾杯で力強くグラスをかかげた(左は昭和シェル石油・村山康夫代表取締役社長)
 激動の一年を締めくくった。2006年のスポーツ界の主役は、やはり王監督だった。各部門の大賞受賞者が集まっての記念撮影では自然と中央に収まった。「WBCの優勝は選手たちが頑張ったから。ただ代表して表彰を受けているだけ。でも、監督をやって良かったと思っているよ」世界一に輝いた9か月前より細くなった顔に、柔和な笑顔が広がった。

 JAPANの指揮では、奇跡の逆転Vで勇気と感動を与えた。衝撃が走ったのは、シーズン真っただ中の7月5日。自ら胃がんを告白し、電撃的な休養会見を開いた。日本中が心配する中、無事に手術を終え、今は“復帰ロード”を進んでいる最中だ。

 波乱万丈の一年。指揮官が改めて痛感したことがある。「このオフは、いろんな形で表彰を受けたけど、やっぱり勝負事は勝たないといけない、ということだろうね」こう、しみじみと語った。野球人生で初めて日の丸を背負ってつかんだ栄光。表彰ラッシュとなった今、改めて勝利の喜びを教えてくれた。

来季は――1・17メド 次に歓喜の瞬間を味わうのは、来季、ホークスの4年ぶりV奪回の時だ。既に孫正義オーナーと就任13年目の続投方針を確認している。しかし、正式決定ではない。「監督業は大変な重労働。常に先頭に立って引っ張っていかないといけないし、(途中離脱しては)チームの士気にかかわる。自分にとってではなく、チームにとって、ファンにとってマイナスにならないようにしたい」と話している。

 「(手術後、半年となる)1月17日をメドにしている。キャンプをフルでやれるかどうか。ペナントレースだけを考えれば(判断が)3月になることもある。選択肢はいろいろあるし、球団とも話し合わなければいけない。自分一人では決められない」指揮官は慎重な姿勢を崩していないが、手応えも感じている。

 「この1、2か月の回復ぶりはスピードアップしている」手術前より20キロ近く減った体重が2キロ増えた。この日、筋力低下のため、常に右足首に装着していた固定器具が取り外された。滑らないように革底ではなく、ゴム底の靴を履き、表彰式の壇上への階段を上った。完全復活の時を信じて、ゆっくりだが、着実に歩を進めている。

◆2006年プロスポーツ大賞受賞者

部門 受賞者 所属 年齢 受賞回数
野球(セ・リーグ) 福留孝介 中日 29
野球(パ・リーグ) ダルビッシュ有 日本ハム 22
男子ゴルフ 片山晋呉 ファイテン 33 2年連続3度目
女子ゴルフ 大山志保 オンワード樫山 29
大相撲 朝青龍明徳 高砂 26 3年連続4度目
ボクシング 長谷川穂積 千里馬神戸 26 2年連続2度目
Jリーグ ワシントン 浦和 31
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